2012年12月23日 ごま団子

2012年12月23日 19:00

ごま団子 @ワッハ上方レッスンルーム
出演:鳥溶岩、金属バット、ハブシセン、みず菜、チャモロ、白鳥(どんどんワッシー)、ブケショハット、他


ワッハ最後のごま団子ということでネタはなく、今までのごま団子の名シーンや印象に残っている企画を振り返るという内容。
鳥溶岩が漫才の際に色々な凝った登場の仕方をしていた時の、登場集を見られたのが嬉しかったです。本ネタに支障をきたすくらいの斬新すぎる登場の数々。
お客さんに今までやった企画でどれをもう一度見たいか聞いてみようということから、お客さんに対する失礼ボケが始まり徐々にエスカレートしていくところが面白かったです。
客いじりって見てて嫌な気持ちになることがありますが、この時のいじり倒しっぷりは本当にただただ笑いました。突き抜けていた。

この日はピンクセラピスト小田島教授に始まりスピルバーグの吹き替え、マイクタイソンのリングアナ、
下着泥棒の実況(ハブシセンの漫才)などハブシセン小田島さんが大活躍。ハブシセンって漫才だけ見ると地味な印象ですが、器用さが強いなと思いました。


ごま団子というライブは独特の空気があって、他のライブに比べて抜群に心地良いです。
それは主催の鳥溶岩の前田さんや木村さんをはじめとして不器用だけれどもピュアなひとたちがやっているライブだからだと思います。
ワッハがなくなってライブはやりづらくなるかもしれませんが、長年に渡って築き上げられたこのチームの空気は本当に貴重だと思うので
是非とも何らかの形で続けてほしいですね。
博打みたいなわけのわからないチャレンジングなコーナーがまた見たいです。

2012年12月24日 村橋ステム 第2.5回単独ライブ サブカルA級戦犯

2012年12月24日 19:00
村橋ステム 第2.5回単独ライブ サブカルA級戦犯@ZAZA POCKETS
出演:村橋ステム


2010年12月に行われた村橋ステムの第一回単独ライブを観て私は「アングラとサブカルにまみれたライブ」「知っている人にしか伝わらない」と書きました。
それから2年経って観たこのライブでは相変わらずアングラとサブカルにまみれっぱなしでしたが、しかし元ネタを知らない人でも楽しめるものに変化していました。
ネタとネタの間に詩の朗読があり、その中に「君の頭の中にない知識ばかりを溜め込んで何の意味があるのか?」といようなニュアンスの詩があったことからも、村橋さん自身が「伝わること」「他と共有すること」に対してより意識的になっていたことが窺えました。


村橋さんのネタやツイッターを見ていると、常人の数倍の量と質でインプットしていることが分かります。
平成2年生まれの彼がリアルタイムでは経験してないであろうことも、リアルタイムで経験している人より濃い密度で精通していたりします。
とはいえ大量にインプットしたところでそれだけでは意味がなく、それをどう消化しどのようにアウトプットするかという点が表舞台に立つ人にとっては重要でしょう。
インプットとアウトプットの間にどのようなフィルターをかけるか、それがセンスであり人間性でありクリエイティビティだと思うのですが、そのフィルターが徐々に確固たるものになりつつあることを感じさせる単独ライブであったと思います。


同じく朗読された詩で、カリスマ達への憧れに対する自分を「オリジナリティなんて無い。それが僕のアイデンティティだから」なんて自虐気味に表していたのも印象に残りました。


ネタの面白さだけではなく、生き様にもとても興味を惹かれる人です。


写真はチケット予約特典のDVDと聖夜に客席に撒き散らされたオリジナルコンドーム

2013年1月20日 女子アナ、大量購入!!

2013年1月20日 14:30
女子アナ、大量購入!! @中野Vスタジオ
出演:ガロイン、ピテカンザウルス


この日私は世界で一番笑ってたんじゃないか、ってくらい笑いまくったライブでした。
お笑いライブに行くことも含めた日常生活の中でこんなに笑うことは他にないと思います。
お笑いって構築なんです。流れや展開や積み重ねや繰り返しや関係性の構築。からの裏切り。
でもこのライブは初っ端から破壊なんです。偶発で分断で乱発で意味不明。すなわち最高。
ちょっと私に文章力がないのでこれ以上説明できませんが、とにかく素晴らしい舞台を見たと思います。
次回があれば何を差し置いても絶対にこのライブに行くでしょう。


あと、ガロインは天才だと思いますがコンビ内に翻訳者がおらずやや不親切なので、人間的にはオカシイけどお笑いの基礎はきちんと出来た人と一緒にやるのが一番見易いのかなとピテカンザウルスを見ながら思いました。

2013年1月27日 街裏ぴんく・ヤングの競演会〜我らの言葉に理由は無し〜

2013年1月27日 19:30
街裏ぴんく・ヤングの競演会〜我らの言葉に理由は無し〜 @中野Vスタジオ


街裏さん、ヤングがそれぞれ30分以上のネタを1本ずつやっていました。
長尺ネタといっても、いくつかのネタをつぎはぎしたものですが。
面白かったです。
街裏さんは世のおかしなことにつっこむタイプのネタと妄言を吐くタイプのネタがあって、普段のライブでは前者の方をよくお見かけするんですが私は妄言漫談の大ファンなのでどちらもたっぷり堪能出来て良かったです。

2013年2月11日 スーパー千鳥パーティー

2013年2月11日 19:00
スーパー千鳥パーティー @ルミネtheよしもと
出演:千鳥大悟、南海キャンディーズ山里、ダイアン、とろサーモン、コウタシャイニング(中山功太)、ネゴシックス


ノブが脳の病気で一週間入院することになったとのことで急遽トークライブに。
8割埋まっている客席を見て、チケットの払い戻しも出来るのに帰らずに見て下さってありがとうございますと大悟が言うと、そのことを知らなかったお客さんが多数いたようで客席がざわついていました。
それを見た演者の顔もひきつっていて、ルミネのライブ運営は杜撰だなと思いました。
私は内容が変わってもこのメンバーなら当然面白いだろうから払い戻さなくていいやとライブ前は思ったんですが、終わってから考えると観る価値のないライブでした。
トークライブ中、舞台上がずーっと探り探りなかんじで煮え切らない空気が続いて辛かったです。
決してお客さんが冷たい訳では無く皆笑いたいのに。
功太さんの酷さが特に目立ちましたけど、それは話題が終わった後に次を切り出すのが殆ど功太さんだったからさらに酷くなったのであって、そこを察して他の人が前に出てどうにかしてくれるということがなかったのが非常に残念でした。
ノブがいなくなって、ノブの偉大さが改めて分かったとかそんなポジティブに捉えられるレベルでは決してなかったと思います。
このメンバーのライブを見てこんな感想書きたくなかったです。

2012年2月20日 ツッコミーティング〜今、ツッコミ界が熱い〜 議事録(前編)

2012年2月20日 ツッコミーティング〜今、ツッコミ界が熱い〜 議事録(前編)
ニコニコ動画生放送 出演:ヤナギブソンザ・プラン9) ゲスト:武智(スーパーマラドーナ)、橋本(銀シャリ


●趣旨説明
ギブ:今回「ツッコミーティング〜今、ツッコミ界が熱い〜」という番組で
武智:そうなんですか?
ギブ:そうなんです
橋本ギブソンさんにお正月にあけましておめでとうございますとメール送らせて頂いたら「武智とともにツッコミ界を盛り上げよう」と返信をいただきまして、どういう熱量なのか全くわからなかったんですけど、ありがたいことだなと
武智:2012年一発目から熱いメールで
ギブ:これはだからこの番組一回目のゲストを橋本と武智にしたのも、やっぱりこの二人がツッコミ一番熱い若手やなって思ったからです
ギブ:この番組では笑いの仕組みみたいなんも喋っていきたいなと今日は思ってるんですよ
橋本:芸人がお笑いについて語ったりからくりをといたりするのってタブー視されているところがあるじゃないですか。だからどこまで語って良いのかっていう恥ずかしさがありますね
武智:語ったとてお笑いを見に来ているお客さんとかテレビの観覧見に来てるお客さんは笑わないですもんね、そんなん見に来てないし
ギブ:それはあくまでも舞台上であって、舞台やとお客さんの笑い声が一番気になるじゃないですか
武智:芸人も笑かしたいからお客さんのニーズに合うようなことを言うことが多いじゃないですか。でもこういう場所やともっと深いところを喋れる
ギブ:この番組を見てくれているようなお笑い好きな人はそういうちょっと深い話に興味あると思うんですよ。たとえば音楽好きの人がおったとして、甲本ヒロト奥田民生について語るような本があったら絶対読みたいじゃないですか


●史上最強のツッコミフレーズ
橋本:この前ザ・ぼんちさんのまさと師匠に言われたんですけど「君は何でもないところにもつっこんでるねぇ」って。君はうるさくていいねぇって
武智:いいことじゃないかもしれへん。物事におかしいことがあるからこそツッコミがある訳で。何もないのにつっこんでるということは君はフリも分かってないよということじゃないいの
橋本:逆にツッコミって、何もなかったら「何もないんかい!」っていうツッコミもあるじゃないですか。ボケがボケなくても「喋らへんのかい」とかいうのもあるでしょ
ギブ:無限にあるんですよ。僕がNSCの時に史上最強のツッコミに出会ったんですけども、ある二人がネタやっててボケが第一声目で「我は山城新伍なり」って言ったんですね
橋本:めっちゃムズいですよ
ギブ:ここでこいつ天才やなと思ったんですけどツッコミが「言う思たわ」って言ったんですよ
武智:いやそれツッコミちゃうでしょ、ボケでしょ
ギブ:いやツッコミなんですよ
武智:言う思わないですよ
ギブ:思てたんです、天才ですよ
武智:それネタですか?ネタやったらそりゃ言うと思いますよ、練習してますから
ギブ:違います、天才ですよ
橋本:その二人をつっこまなあかんもう一人いりますね
ギブ:いります、確かに
武智:「思てたんかい!」ていうね
ギブ:そのコンビはすぐ辞めました。ドイツ代表っていうコンビ名でしたけど
橋本:尖りすぎてる


●ツッコミの処理能力
ギブ:今のお笑い界は非常にツッコミ全盛といいますか、ツッコミのかたが重宝される時代に変わってきたと思うんですよ。昔はボケ・ツッコミで役割がはっきりしてましたけど今はボケの人もツッコミできる人がいるじゃないですか、そういうコンビも多い。僕は(ボケの人で)一番ツッコミ凄いのはジュニアさんだと思ってるんです
武智橋本:あーーそうですね
ギブ:僕が一番悩んでるのがね、処理能力ですね。とんでもない天然の人とか暴走する人がぶちかましてくるじゃないですか。そこで空気がキーンとなった時に一言で笑いに変えるみたいなその処理の仕方、ここがやっぱりジュニアさんはずば抜けてる
武智:その瞬間ってある意味ではピンチやし、ある意味では大チャンスですよね
ギブ:ツッコミにとってはチャンスですよね、笑いのとりどころですけども、そういう時って用意してるワードとかあるの?
橋本:先輩のボケの人の話し合いを聞いたことがあるんですけど、ゲームコーナーとかトークコーナーで滑る場合、きれいに滑った方がツッコミをのせやすいというか、複雑骨折がつっこむ時に一番しんどいと
ギブ:あーはいはい
武智:橋本とは劇場で一緒にライブやってますし、橋本がMCの時に僕が演者として出る時も多いですけど、僕結構ツッコミのこと細かく見てるんですよ。橋本は5upの中じゃ珍しいくらい嫌な滑らし方しないタイプのツッコミです。滑って転んだ人を下にドーンって突き落すタイプと、すっと持ち上げてくれるタイプがあるじゃないですか
ギブ:あーあるある
武智:どっちかっていうと橋本君は持ち上げるタイプのツッコミなんです
ギブ:その辺は凄いテクやと思います
武智:でも突き落すタイプも全然いいんですよ
橋本:もうそれしかない時ありますもんね
ギブ:ある
橋本:最終的に自分が何も出てこない場合、このままほっとくんであれば、蔑んでるのは分かってるけれども、この場の空気を一瞬で回復させないといけないからしゃーなしでどーんって落とさなあかん時ありますよね
ギブ:あるよ。難しいよね。そこで一番重要なのってツッコミの間じゃないですか
武智:間を逃したら(滑った)その演者が一番かわいそうですよね
ギブ:そうなんですよ。なんかキラーワードみたいなの用意してんの?
橋本:キラーワードは無いですね、用意してるのは
武智:僕が一応用意してるのは、まだ言うたことないですけど最終の最終は「ごめん、今田さんと東野さん見てもっと勉強するわ」っていうのだけは用意してます
ギブ:なるほど、ふふふ
橋本:まだそれにつっこむ力はこっち持ち合わせてないという、こっちの落ち度があるパターンですね
ギブ:僕がいっぺん咄嗟に出たやつはぼっけぇTVで、浜辺でボケをするっていうコーナーだったんですけど、冨吉さんが夕暮れ時の浜辺を見つめていきなり「ペーソスマン」って呟いたんですよ
武智橋本:ふふふ
ギブ:どうしたらええねんっていう
橋本:いやもう無いですよ
ギブ:そこで咄嗟に出たのが「誰がつっこめんねん!」っていう。それしかなかったです
武智橋本:これは凄いツッコミです
ギブ:そこから派生して、次ボケた時は「今まで誰がつっこんできてん」っていうツッコミで
武智:いいですねぇ、一回その番組で認知されたらもうあとは大喜利ですもんね
ギブ:そうなんですよ、だからやっぱりそういう処理能力が大事やなと最近つとに思うんです
橋本:僕そういうのが好きすぎて、逆に色出しすぎて僕も巻き込まれる時あるんです
ギブ:わかる
橋本:例えば今のギブソンさんの「今まで誰がつっこんできてん」を自分が思い浮かんだとしてですよ、「歴代つっこんできたやつの名前を述べよ」とかね、変なことしすぎてね
ギブ:わかるわかる、あははは。その感じめっちゃわかるわ。俺も用意してるのがあって、そういう状況になった時に「言うてええかどうか決める回路メンテナンスに出せ!」っていうのをね、言いたくなるんですよ
武智:ごちゃごちゃしてます。もっかい揉まなあかん
橋本:ただ、結果、こっちがあかんっていうことになってこっちが背負う形になるんで、ボケの人(が滑ったこと)を忘れるくらいのこっちの落ち度になるんで、それはそれで救ってあげてるのかもしれないですね
武智:それのプロは僕はバッファロー吾郎木村さんやと思います。あの人は本当に凄いですね。僕がこけそうな時にさらにその下に滑って助けてくれるんで
ギブ:あーなるほどね、特殊能力ですよ
橋本:僕らがデビューしたてのころ、みんな鰻くんのことをどう扱っていいか戸惑ってたんです。天然記念物的なところがあるじゃないですか。鰻先生って言い出したのは木村さんが最初なんですよ。「先生、それどういうことですか?」って持ち上げて鰻さんの話を聞きたいですっていうスタンスにされたのが木村さんが最初だったんで、僕もなるほどなと勉強になりました。凄い大発見
武智:木村さんは珍しく滑らしツッコミをはっきりとするんですよ、僕の中でのイメージなんですけど。それが嫌な気に全然ならないというか。「あなた全然面白くないですね」って言うじゃないですか。あの言い方されると全然滑った気にならないというか
橋本:それ言うてる時の木村さんが一番笑ってるんですよ。楽しそうなんです
ギブ:わかるわかる
橋本:僕が最近たどり着いた答えは、やっぱり笑顔。最大のツッコミって笑顔。序盤で言うことじゃなくてエンディング間際に言うことなんですけど
ギブ:あははは
橋本:昔かまいたちの濱家と言うてたんですけど、みんな(最初は)尖ってるんですよ。濱家も今はニコニコしてますけど、昔はひな壇で山内がボケてる時もつっこむことじゃなくて次に自分が何の話しようとか考えてて、人につっこむ余裕がなかった。何なら他のコンビへのアシストはせず自分の相方にだけベストを尽くそうとかいうこともあった。今は人の話が楽しくてしょうがないですね
ギブ:わかるよ、いいと思いますよ
橋本:結局、頷いたり手を叩いたりするのも一個のツッコミですもんね


●ツッコミがネタを書くということ
橋本:漫才で、僕ずっと思ってるんですけど、最強はなんでやねん説あるじゃないですか。「なんでやねん」っていうのを一番上手く言える人が一番ツッコミが上手いと。ただ、僕はなんでやねんは最強に上手くはないと思うんですよ。僕は上手くないので色々喋ることになったと思うんです
武智:ただ、なんでやねんを言う前が大事やん。なんでやねんを言うまでに何分喋ったのか。なんでやねんにたどり着くまで込みの最後のなんでやねん
橋本:でも普段の「なにしてんねん」とか「おかしいやろ」とかシンプルツッコミを使いこなせる人最強みたいな
ギブ:それは漫才を見てて、ツッコミの人の「なんでやねん」とか「なに言うとんねん」とかいうツッコミが耳障りじゃないっていうことじゃないの?すっと入ってくるっていうパターンじゃない。例えばハリガネロックの大上さんとか。全然耳障りじゃないというか
武智:あーめちゃめちゃ上手いと思いますね
ギブ:白川さんとか然り、そういうタイプのコンビがいてはりますよね。ボケがリードしていってツッコミが絶妙にっていう。そんな人もいる中なんでこの二人を呼んだかって言いますと、ネタをツッコミが書いてるんちゃうかなっていうコンビなんですよ。実際はどうなんですか?
武智:僕は書いてます
橋本:僕は格好つける訳でもなく二人です。初期の頃は僕が書いてるのが多かったですけど。コントは全部僕が書くんですけど、基本的には
ギブ:僕が昔コンビ組んでた時は半々で作ってたんですけども、当時はツッコミはネタ考えるなと、結局ろくなことにならんという風潮があったんですよ。今でもそうかもしれないですけど。何でかっていうとやっててアドリブをぶちこんでこないんですよね。ツッコミの醍醐味はね、アドリブきた時の対処であったりするんです。久馬さんは特にアドリブぶっこみまくるから、それがやっぱりつっこんでて一番楽しかったりするんです。灘儀さんもそうですね。武智くん的にはツッコミとして不満とかないの?
武智:あります。相方は台本通りに一言一句言うだけなんで、ほんまにその悩みがあって、ネタを何度やれど向上しないんです。僕が台本を書き換えない限り一年後も同じネタのまま。アドリブで何かっていうのがないんで。それに気付いた時に「今日の漫才はどっかでアドリブ絶対入れて」って言うようにしました
ギブ:それでアドリブ入れてくるわけ?
武智:入れてきますけど、漫才って最初にフリがあって設定分かってもらってそっからボケに走っていくじゃないですか。あいつアンポンタンなんで、フリの時点でようわからんこと言い出したりとか。わかってないんですよ、やっぱり
ギブ:ふふふふ、いやーそのー、、難しいところやね、難しいところやわ
橋本ギブソンさんは解散されてますけど、武智さんは現役の相方ですから、ふふふ、ダメージが違う
ギブ:ちゃうねんちゃうねん、その中でも醍醐味とかあるかなって。やっぱりアドリブきてほしい?
武智:アドリブきてほしいですよ、緩いネタってあるじゃないですか。このセリフ言わな絶対次に進まれへんみたいなきっちりしたネタもあれば、どうやっててもなんとなくなるネタってあるじゃないですか、ゆるゆるの。そういう時は結構、アドリブしてほしい場合は僕からふるんですよ。漫才中にここのくだり終わったから次のくだりいかなあかんのにいかずにここのくだりしつこく聞いてみたり、無言で叩いてみたりとか。色々やったら向こうも反応はくれるんで
橋本:僕もアドリブのスイッチ入れるのはこっちが仕掛けるんです。むこうはほっといたらアドリブ絶対しないです。僕がふざけるスイッチを入れると相方が「あ、楽しんでいいんやな」って思って。だから相方からのきっかけはないですよね、やっぱり
武智:両方そうなのが、相方が主導権をツッコミが持ってると思ってるんですよ
橋本:あと、いいことでも悪いことでもあるんですけど、むっちゃ真面目なんです。ただただお笑いに真面目なんです。だから練習中に僕がめっちゃ笑ってたら本番もめっちゃ楽しそうにやるんですよ。(練習中の)アドリブで(橋本が)ウケたやつは本番でも言ってくるんですよ、練習中に僕が楽しそうにしてると
ギブ:ツッコミとしてはそれが凄い今風の感じやと思うよ。今のツッコミって主導権握ってる人が多いなって
武智:僕一個だけ銀シャリと違うのは、見てる人には僕が主導権握ってるようには見えてないような気がするんですよ。結構銀シャリとか学天即系のコンビってツッコミで笑い取るコンビじゃないですか。僕らのコンビはそれはやらないんで、多分初めて見た人はボケの人考えてるんちゃうかなって思ってるんじゃないですかね
ギブ:なるほどね、確かにそれはそうかもしらんね


●ひな壇でのツッコミの役割
ギブ:昨今のテレビ見てたらさ、ひな壇に座ってる人が求められる役割ってツッコミが圧倒的に多かったりするじゃないですか。フットの後藤さんをはじめ小杉さんとかツッコミで笑いとれる人。純粋にボケるだけの人って本当に減ってきてるような気がしますよ
武智:純粋にボケるだけの人っています?
ギブ:久馬さんしかいないでしょ。あの人はツッコミは一切しませんから
橋本:都市伝説で聞きましたけど、昔付き合ってた彼女に1日何個ボケれるかやってボケすぎたって
ギブ:ボケ過ぎて彼女に逃げられたんですよ
橋本:千鳥のノブさんが、哲夫さんとか大悟さんとか西田さんが毎日毎日ずーーっとボケてはるからツッコミが鍛えられたって仰ってましたもんね
武智:頭おかしくなりそうになったって
橋本:ボケを浴びた方がいいかもしれないですね、ツッコミが伸びるには。ボケ浴びたいですね
ギブ:ほんまそれは伸びるよ絶対
(中略)
橋本:逆に言うと生粋のボケが今後また求められるのかもしれないですけどね
ギブ:ひょっとしたら時代が変わるんかもわからんよ
橋本:ひな壇で座ってて思うんですけど、MCのツッコミが良かったらひな壇がつっこむことほとんどないかもしれませんよね。相方に対するツッコミもMCの人に抜群のツッコミして頂ければこっちの仕事がほとんどないというか。ひな壇いったらツッコミの人もみんなアクション起こす側になってボケに回るじゃないですか。ひな壇の人のボケに対してひな壇の芸人がつっこむってあんまり、、
武智:良くない。僕はあんまよくないと思いますね。メインMCの人とうちの相方とのボケツッコミの絡みが上手いこといってるんやったらそこで終わっとくのが一番ええなと
ギブ:あー確かにね。あと捕捉でエピソード言うとか
武智:捕捉でエピソードとか、膨らますくらいで。あんまり手を入れるとMCのかたが嫌がるんで
ギブ:まぁそらそうですよね。ただでもMCの人が腕なかった場合はこっちが、みたいなのもあるんじゃないですか
武智:ありますあります
橋本:僕はあんまり(笑)


●千鳥ノブの凄さ
ギブ:最近ツッコミでこれ取られたなっていうのがあって、「ええなぁそのツッコミ、先に使われたからもう使われへんな」っていうのはやっぱりノブですよね。ノブの「癖が凄い」はありとあらゆるところに使う状況が出てくるんですね、ロケ行ってもそうですしね。ちょっと個性的な人が出てきた時に「癖が凄い」があればあっという間に
橋本オールマイティー用語なんですけどもこのワードじゃないとっていう
武智:ノブさん病って蔓延してますよね
橋本:禁断の果実なんですよ、ノブさん
ギブ:ノブさん病って何ですか
武智:ノブさん病ですよ
橋本:ノブさん病は凄いですよ
武智5upよしもとのネタ中とかコーナー中とか、もっと下の5upのオーディション受けてる子らとかたまにネタ見たりするんですけど、「シンプルに○○」とか
ギブ:あぁ!それ次言おうと思ててんけどこのシンプルもやっぱりノブが先に使ってるからもう使われへんのよね
武智:ノブさん病なんですよ、「シンプルに○○」とか
橋本:あと「大(おお)○○」とかもノブさんから始まったと思うんです
ギブ:はいはい、分かるわー、大ね、はいはい
橋本:若手芸人一回はノブさん病発症してもうてますね、気付かずに
武智:で、酷いやつになるとちょっともう方言になってるんですよ
ギブ:あはははは
橋本:ほんまね、一時期モンスターエンジンの大林さんもかかってましたから
武智:大林今でもなってますよ
橋本:「それはなに」とか(「な」にアクセントを付けた言い方)
ギブ「何を言うとるんや」とか「何を言い出しとんのや」とか、あるよね
武智:あれはね、ツッコミからすると見てて恥ずかしい
ギブ:あぁそう、影響されてしまってるのが?
橋本:「もうええもうええ」とかもやっぱノブさんですからね
武智:それぐらいやっぱりノブさんが凄くて、上手くて、面白くて、(ノブ語が)扱いやすくてすぐパクれるというか
橋本:脳内麻薬が発生してるんですよ、言ってる時に。「それはなに」とか「もうええ」とか言うてたら気持ち良いんです、多分
ギブ:あまり言うたことないイントネーションやし気持ち良いんでしょうね
武智:橋本もあるんですよ
ギブ:橋本病でしょ、要するに
武智:橋本が第一号やと思うのは「ただただ」
橋本:「ただただ」、あははははは
武智:ツッコミの時「ただただ○○やないかい」あれ結構使ってるやつ多いんですよ。あともう一個。橋本は二つあるんです
ギブ:二つあるの大したもんやな
武智:「○○が凄いわ」
ギブ:あーーあるなぁ!
武智:「虫唾が走ったわ」っていうセリフを「虫唾が凄いわ」って、これ言い出したのは橋本やと思うんです
橋本:虫唾が走ったはもうやりすぎて「虫唾がダッシュした」って言うてます。僕自分でこいつ何言うてんねんて思うツッコミの時もあるんですけどね。こねくり回しすぎて腐りかけてるぞっていう。喋りたすぎて。一回のツッコミに5パターンつっこんでる時はやりすぎてるなって思いましたね
武智:でもその後の新しいのも見つけたやろ
橋本:ぶふふ
武智:5パターンつっこんだ挙句自分のこと「喋りすぎ喋りすぎ」って
橋本:自分で処理してしまうという
ギブ:凄いな。はぁ〜〜


●使いたくないツッコミフレーズ
ギブ:あんまり使いたくないけど使ってしまわざるを得んツッコミがあって、ほんまは使いたくないねんけど例えば二人が揉め出すみたいな時に「すいません、後で楽屋でやってもらっていいですか」とか、このへんは使いたくないねんけど
橋本:必要な時ありますもんね
ギブ:あんねん
橋本:言わんと落ちんみたいな時
ギブ:そうそう。それのもっと革新的なやつをノブより先に見つけなあかんなと思うねん
武智:僕も使いたくないワードあります。僕がMCやってる時に絶対使いたくないのは、一生懸命ボケてて滑ったりウケたりしてる時にそれとは関係ないとこいじって笑いとること。何か言って滑った人に対して「ていうかお前なんちゅうTシャツ着てんねん」とか
ギブ:あーなるほどね
武智:その子の一生懸命がんばったことを無視してこっちだけで美味しい笑いとるっていうのは良くないです。それやってるやつ多いですよ。めっちゃ多いです。こいつ一生力つかへんやろうなと思います。そんな上辺のことばっかやってたら
ギブ:はははは


●例えツッコミ
ギブ:誰も知らんやろうけど例えとして100点っていうのがあるんですよ
橋本:僕サッカー好きなんで「お前それ選手交代の時にズボンの中にシャツ入れるかんじはええねん」とか、みんなきょとんとしてるんですけど僕はピンポイントでそれしかなかったんです、でも抜群の例えしたっていうのはあるんです
ギブ:分かる分かる。僕はT-1グランプリに出さしてもらった時に映像に例えツッコミするコーナーがあって、白黒のスーツ着たサルがタバコ吸うてる映像があったんですよ。それに対するツッコミが、誰も知らんやろうけど自分の中で100点、それしかないと思ったんが「魔法かけられた吉田茂か」っていうツッコミで。ほんまに吉田茂Naverかなんかで検索してくれ。白黒で葉巻吸ってる写真出てくるから。それしかないねん
橋本:それをもし言った時に、TVショーではワイプが出たりテロップが出たりしてその例えがばーんって時ありますもんね
ギブ:そうそうそうそう
橋本:それが凄い嬉しい時ありますね。最近はそういうマニアックな例えツッコミにも寛容というか、それを面白がってくれる人も増えてきてるんで
ギブ:作家とかディレクターの人がね、寛容であればそういうのも全然ね
武智:ああいうのってどれくらい伝わってるんですかね、一般の人に
橋本芥川龍之介の頭皮のラインとかありますもんね、やっぱ歴史上の人物の肖像画たちのトリッキーな撮り方っていう 
武智:伝わってればそんな嬉しいことはないですけどね、例えツッコミって多分無限大にあると思うんで
橋本:ただその誰もわからんであろうというピンポイントの例えを思い浮かんだ時に、自己満足になったらだめですよね。ただ言いたい時はありますよね。聞いてる人がポイントをつかれた時にゲラ死する可能性くらいの例えしてる時とか、その人にとってはね



※後日後編もアップ予定です。

2012年12月22日 グラインドハウス

2012年12月22日 
グラインドハウス大阪市中央体育館
出演:ヤング、三日月トリオ、金属バット、八田荘、まぁくん
 
約2年ぶりに復活したグラインドハウス。三日月と八田荘は東京から。
寄せ集めのイベントへ行くことが私にとっていかに無価値であるかを改めて実感する、大変心地良いライブでした。
馴れ合いではない良い意味でのファミリー感。


嶋仲さんが小林さんと初めて会った日に小林さんから「あなたの漫才見ましたけどあなたはどれだけ努力しても絶対に一生報われません」と言われ、それをいまだに言われ続けているという話をしていました。どちらが先に売れるのか、あるいはどちらも一生売れないのか。
八田荘が金属バットに対してこんな漫才してるやつ東京にはおらんと言っていたのも興味深かったです。そうそうだから私は金属の漫才を見るためにわざわざ大阪へ行くのよ、と自分の行動を肯定してもらったような気分に。
八田荘から読み方を「はったしょう」から「はったそう」に変えたというお知らせがあったり、企画で使うホワイトボードを舞台袖から出して来たらでっかくちんこの落書きがされているなどというアクシデントがあったり(犯人友保)。
ネタは金属の車を買いたい漫才と女と別れた漫才、三日月の思い出の場所のコントが特に面白かったです。

余談ですが、三日月トリオが東京に行って浅井企画マセキ芸能社という有名事務所に所属したことに対して、この人たちは大阪の地下でくすぶってたけど見る人が見たらちゃんと評価してくれるんだなーと私は感激していました。
その一方で、マセキの事務所ライブに出ている三日月を見に行っても、彼らの良さがあまり出し切れていないなとも感じました。
そんな中、グラインドハウスという彼らのホームとも言える場所で、とってもいきいきとしたお三方を久しぶりに見ることができて大変嬉しかったです。
三日月の、いつまでたっても荒削りで全く洗練されないコントの魅力はきっとマセキの芸人さんやお客さんには認知されてると思うので、加えてキャラクターも馴染んでいったら良いなぁと思います。