今だから言えるM-1グランプリ審査の裏話 2014年4月11日 ジャルジャル×倉本美津留のコント会議 #6

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倉:平気でふなっしーとかさー、劇場の自分らのコントで入れてくる奴おるやろ、なんでやろなー。俺なんかM-1の(準決勝の)審査員やてったやんか。あの時でも、なんでそんなんやんねんと。3割はおるやんか。流行ってることを。それが一個のラインやねんな。それやってないだけでやっぱりちょっと点数あがるわ
福:ああいうのやってる人に聞いたことがあるんですよ。何であんなん入れるんですか、みたいな。「いや、逆にやってるみたいな」って言いよるんです
倉:うわー。そんなん・・・
後:ドラえもんとか、例えば、桃太郎とかで始められた時点でなんか見る気なくなりますよ
倉:ドラえもんも多いしさ、10回クイズとかさー、10回クイズ1000回見た。ほんま。1万回やってた。もうええっちゅうねん。そっから入るやろ。ウィーン(自動ドア)とか。あ、お前らもウィーンやったな。ははは。お前ら漫才でやったんがな、ちょっとおもろかったな。コントなんか漫才なんか分からへんな。あの時はほんま無理矢理M-1出したからな、お前らのことは
後:ははは
福:ありがとうございます!
倉:みんな反対しててんけどな
福:そうやったんすか
後:え、でも準決勝ウケてましたよね僕らめっちゃ
倉:ウケてたウケてた
後:そうっすよね
福:その時の審査の話教えて下さいよ
倉:教えたろか
後:それはもう時効ですよね、M-1ももうなくなりました
倉:そうそう。あのね、笑い飯もお前らもそうやねんけども、いっつも凄い反対があんねん
福:あー。正直あの時の僕らは分かるんですけど、笑い飯さんが反対されてたのはなんでやったんですか
倉:だから、笑い飯が初めてM-1出たときって2回目とかやんか。超無名やし、その時に、なんちゅうの、漫才とはこうでなければならないってみんな勝手に思ってるところがあって。俺なんかはなからさ、壊していってほしいからさ。そういう感覚持ってないのよみんな。だから「おもろいけど漫才やないしな」って言いよんねん。お前、漫才ってなんやねん!!!(机を叩く)
後:あはは。ドーンやったんですか?
倉:おぉ。待て、と
後:それ(反対意見)は誰が言うんですか。構成作家の方ですか
倉:構成作家もおるし
福:それって倉本さんより上やったり下やったり色々?
倉:上が2,3人おって下が2,3人おるわ。7人くらいやで。ほんでキレてさ、いや関係ないやろと。人間が二人立っておもろい時間をどれだけ会話で作るかだけやんけと。それが漫才のスタートやし、そっからやっぱり新しいスタイルをどんどんどんどん生み出していかなあかんと。君ら(他の審査員)やったら多分ダウンタウン初めて見た時あれ漫才やないなーと平気で言い出すやろと。売れたからね、言うてるだけで。笑い飯一緒やねんって。ほんでさ、「(倉本さんが)そんなに言いはんねやったら残しはったら」言うて。
福:ほんまは誰かが笑い飯さんのかわりに一組おったけど、それをやめて?
倉:おったりすんねんけどもその辺も別にそんなにさー、一生懸命さー、こいつ出さなあかんってみんな思うてないのよ
福;結局ね。魂がないんすね
倉:ちょっとあんまりこんなこと言うたらあかんなー
福:我々の時は?
倉:お前らの時も、感じた訳よ、やっぱり漫才を壊しにいってるなーと思ったんよ、俺はな。国技館でやった時。漫才のスタイルを壊そうとしている、それイコール俺は漫才やと思ってるから。漫才ってやっぱりそこで新しいものを壊していくっていうことを、客が一緒に臨場感をもって感じる。「わーなにこれ?なにしてんの?!」っていう・・やんか?(ジャルジャルは)そうなってたからな、俺は入れてんけども。みんなやっぱり「コントやしなー」みたいなこと言うねん。いやいやいや、見たことないコントみたいな漫才っていうことの行き切ったことやんけ、っていう。「漫才のパロディーやん」とかって言うのよ。いやいやどうでもええねんそんなん。おもろいのよ当然。新しいかどうかやねん
後:審査基準が違うんですね、審査員の中でも
倉:ちょっと違うんですよ。漫才っぽくなかったらだめやもんな。あと、客にウケているっていうことを一番に考えすぎるとか。人気があったらウケるやんか。おもんないのに。そこはもう絶対目光らせてたな俺は。それは悪いけど。ほんまにおもろい時もウケるし、人気あるのもウケんねん。似て非なるもんやねん。でもね、それがわからへんねんみんな。ほんでやっぱりわーっとウケたんに入れといた方が自分がやっぱりなんちゅうの、傷つかへんみたいなことなるやんか
福:間違った審査してないと
倉:いやそれは俺に言わしたら一番間違いやっちゅうねん!(机叩く)
福:倉本さんはM-1以外は参加してないんですよね、今
倉:してないですよ
福:確かにウケが重要なことある
後:でも大体の賞レースというか、劇場での戦いもそうですけど、ウケ重視なんですよ。M-1だけは笑い飯さんが出た時点であ!ってみんななって、M-1だけは違うぞってなったんです。それは倉本さんの机叩きがあったからですね
倉:でもな、毎年やないねん。毎年そんなに、俺が人に嫌われてまで戦うような、そんなに惚れる芸人ってやっぱおらんよ毎年は。だから毎年はやってなかったよ。でもやっぱり基準が違うのは「違うと思いますよ」とか、「新しいことを見出そうとしてる人いれた方がええんちゃう」とかやんねんけども。「あほか、残さへんなんて考えられへん!」言うたんが3回だけやな
福:3回?
倉:それがまあな、笑い飯と、ジャルジャルと、スリムクラブやわ
福・後:あーー
倉:その3回だけや、俺、ほんまにちょっとこれは戦わなあかんなと思ったんは
後:へーー
福:おもろい話聞けた
倉:あとはやっぱりレベル高いのはみんな通すやん、普通に

3/14「無力無善寺 らいぶスピリッツ」 3/16「もぎたてライブ」

2014年3月14日 19:00-
らいぶスピリッツ @高円寺 無力無善寺



「こうじと俺とアップルダイアリー」のライブを見に行った。
ランジャタイ伊藤さんが歌ってガロイン伴さんがギターを弾いて薗田さんは撮影係。
伊藤さんは変装してるしセリフは変なキャラ入ってるしギターはデタラメだしで最初は悪ふざけだなーって思いながら、芸人ガロイン芸人ランジャタイを知ってるからこその面白さで笑ってたけど、途中から徐々に素直に面白くなってきて最終的にはめちゃくちゃ笑った。


前にガロインがやってた雨の日バンドの時は、藤本さんと薗田さんが真面目に曲を演奏している後ろで伴さんが一切楽器を演奏せずに邪魔するようにひたすら喋るっていう、音楽をフリにしたお笑いって形だったけど、今回は二人とも音楽をやった上でのだったのでより剥き出し感があったかな。


他の出演者のノイズの人がこうじと俺とアップルダイアリーを見て、最高のスカムロックと出会った!こんなのやってる人他にいない!と大絶賛でひどく感激していたのが面白かった。
そんなつもりのなかった伴さんと伊藤さんはとまどいつつ喜びつつ、最終的に、スカム漫才頑張ります、と伴さんは言っていた。スカム漫才・・・。






2014年3月16日 14:00-
グレープカンパニー事務所ライブ もぎたてライブ @ハイジアV-1


伴さんにとってグレープはアウェイだから、内弁慶の伴さんが本来の良さを全く出せてないでおなじみの事務所ライブ。
事務所ライブでのガロインのネタは決まっていて、絶対にコント漫才。そして伴さんが暗い。
基本このパターンなんだけど、なんとこの日は違った!
最初から最後までコントに入らず全編アドリブで通し、変な暗さもなく、何だったらちょっと楽しそうにひたすらふざけていた。
自主ライブのキュートなガロインの片鱗を事務所ライブで見られたのはとっても大きな一歩だと感じた。
漫才中に伴さんがスカムの話をしてたから、一昨日の無善寺での出会いが良い影響になったのかな?と思った。
良い漫才を見られて良かった。

2014年3月14日 ジャルジャル×倉本美津留のコント会議 #2 部分書き起こし

2014年3月14日 22:00〜
ニコニコ動画生放送 ジャルジャル×倉本美津留のコント会議 #2 〜誰でも参加して意見言うてくれてええんやで、いや言うてくれ!〜 supported by FIAT




倉本美津留:前から、コントがスポーツに負けへんみたいなかんじにならへんかなと思ってて。
スポーツってルール決まってて試合すんねんけども、その時の感じで変わるやんか、結果とか。
「どうなるんかなー」と思って客も一緒にうわーってなるやんか。
だからスポーツって皆熱入れるけど、笑いの、コントとかでも決まってるようで決まってへんみたいな感じのことで日によってオチがこうなったとか、ツッコミ変わっとるがなとか。
同じネタでもね。おっきなシチュエーションだけ決まってて、どっちから喋り出すのんかとかも自由で。
役柄とキャラクターだけは決まっていながら、今日こんなコントで終わってもうたでみたいなことになるとかね。
そんなことすると同じことでも毎回見に来たくなるというか。新しい笑いの作り方というか。
コントって言ってしまったらこういうのがコントやっていう風に決めきってしまうっていうところを壊してほしいなっていうような気はすごくすんのんよ、ジャルジャルには。
(書き起こしここまで)



これ、まさにガロインがやってることだ、って思いながら聞いた。

ガロイン主催ライブ 2/23「Love&Love」 3/9「プレミアムまさや」

2014年2月23日
Love&Love @中野Vスタジオ
出演:ガロイン、柴田勇大、リボンズ


議論に意味はあるのか?を思い起こす、極上の心地よさと絶妙な心地悪さの混じり合う不穏なライブで最高でした。
こんな素晴らしいライブを目撃できてこの空間にいられて幸せだ。

色々面白かったけど何より伴さんの熱い発言が印象的だった。
「カウンターでありたい」「ちゃんと漫才できるようになる」「このライブを見たお客さんが誇りに思えるくらい売れたい」みたいなことを言っていた。
伴さんが実は裏では人一倍売れたいテレビに出たいと言っているという話は何回か聞いたことがあった。
けど、舞台を見ている限りでは商業的な成功なんかより自分たちのやりたいこと面白いと思うことさえできればそれで良いって思ってるように見えていたから、今まで少なくとも客前ではそんなそぶり一切見せなかったのに今回舞台上で言ったのって何かきっかけがあったのかな?と思った。
私はただのファンなので売れるとか売れないとかはどうでも良いけど、この人たちの行き着くところを見届けたいと改めて感じたライブだった。




2014年3月9日 14:30〜
プレミアムまさや @中野Vスタジオ
出演:ガロイン、柴田勇大、リボンズ


Love&Loveを受けてのプレミアムまさや。
ガロインが本気の漫才を4本やって、1本披露するごとに柴田さん、立山さん、テレパシーまさきがコメントをするというライブ。
本気の漫才っていうのは、自主ライブでは毎回漫才を途中までしかやれないから最後までやるということと、普段は設定とキーワード3つしか決めずにあとはアドリブで漫才をやっているのを今回は台本通りにやるということ。
薗田さん曰く台本を書いたのもきちんと稽古したのも3、4年ぶりとのこと。
あとは、薗田さんがツッコミができないのでツッコミを出来るようになる、と言っていた。
ネタ見せの時に作家から、ガロインはもう一人ツッコミがいれば面白いと言われるそう。
確かに、まさやSPで油野美術館に出た時に立山さんがガロインのネタにつっこんでいたのは見やすかったけど。


オープニングトークの後、早速ガロインが漫才を披露するも案の定台本どおりにできない。
伴さんいつもどおりアドリブ入れまくりだし最後までやらずにはけちゃうし。
ネタが終わってから本当はどんな台本をだったかを薗田さんが音読したところ、予定の半分もできてない。
ネタによっては用意してたセリフを二言くらいしか言ってないのすらあり。
適当に言ったように思われたセリフが意外とちゃんと準備してきたセリフだったりしたのは面白かった。準備してきてそれ?!っていう。
漫才を台本どおりできなかった言い訳として、二日前にネタを作った時と当日の午前中にファミレスでネタ合わせした時点では面白いと思ってたのに、昼にVスタに入ってから立ち稽古してみたら何かしっくりこなかったと言っていた。
用意してきたセリフがウケなかったら心が折れてアドリブ言って取り返したくなるらしい。
事務所ライブでは最後までネタできるのに何で自主ライブでは出来ないかは本人にも分からないと言ってい。


コーナー等はさみつつ、結局ガロインは7本も漫才をした。
5本目と6本目のセンターマイクの前で世間話するだけの漫才が私は好きだった。
山が動く寺岡さん東京ソロライブでやったスーパーナチュラル漫才に少し似ていた。


この日は結局全然ちゃんと漫才できなくて、それでも伴さんはやっぱり売れたいと言っていた。
グレープカンパニーで次に売れそうなのはわらふぢなるお、アボカドランドリだからガロインはその次だと。
最後に伴さんがお客さん一人一人と握手して終わり。
伴さんの握手はライブが会心の出来だった時に発動するものと思ってたから今回は意外だったし薗田さんもこの出来でよく握手できるなって苦笑いしてたけど、伴さんとしては得るものが大きかったということかな?


この2回の自主ライブを見て、売れるっていう長期的に達成すべきことと、ライブでお客さんを最大限笑わせるっていう目の前の正義との折り合いのつけ方、落としどころを模索しているのだと感じた。
私が考えても意味ないことは分かってるけど色々考えちゃうね。
もし本当に薗田さんがつっこみ上手くなったらどうなっちゃうんだろうとかね。想像つかないな。
立山さんが言ってた「ガロインはVスタ弁慶で事務所ライブでは死んでるけど、自主ライブでやってることを事務所ライブでもやれるようになるのがベスト」という意見に大きく頷く。

2013年2月23日 対談!ハクション中西・山が動く寺岡

2013年2月23日 19:00〜
対談!ハクション中西・山が動く寺岡 @OCAT市民学習センター



9月21日にこのライブの第二回が行われるということで、twitterに書いていた前回の内容をまとめてみました。



・中西さんが会場を講堂ではなく会議室にしたことに、寺岡さんが憤慨していた。
 二人のファンに加えてこの組み合わせの面白さに興味を持って来てくれる人もいるだろうということで、真面目に50人は入ると思っていたのだそう。
 (実際は10人くらい)


・中西と寺岡どっちが変か。
 「お前の方が変や」と言い合ってお客さんにどっちが変と思うか聞いて、「ライブを見終わった時にその印象がどう変化してるか楽しんで下さい」っていうところまで中西さんは考えてたのに、寺岡さんが「僕は変じゃないし中西さんも変じゃない」と言い出して、ライブの進行無視してそんなこと言ってしまうところが変だと言われていた。
 お客さんは全員が寺岡さんが変だと思うに拍手していた。
 中西さんは、「その印象はライブ後もかわらないでしょう」と言っていた。


・座標軸で中西さんが(1、1)だとしたら僕は(-1、1)という寺岡さん。y軸に対して対称な関係。
 何の軸か問われて、y軸は面白さ、x軸は何となくと真面目に答えるとこがおかしい。
 あえていうならB型かO型か。途端に乙女。寺岡さんには血液型占いなんて信じてないと言ってほしいと中西さん。


フェルマーの最終定理(n≧3の時x^n+y^n=z^nを満たす整数xyzは存在しない)の話。
 フェルマーの最終定理は世紀の難問とされ、誰もが証明しようとして打ち破れていったのだそう。
 それに対する寺岡さんの意見が「存在しないことを証明する意味はない、それよりも、n=1、2では存在するのに3以降は存在しない、その2と3の間に何があるのか知りたい」というもの。
 中西さんはそれを聞いて、寺岡くんはこういうものの見方、考え方をしているのかと感心したと言っていた。


フェルマーの最終定理の話からもわかるように、寺岡さんは2という数字を特別に思っていて、数字の並びとしては「1  2  34567」くらいの感覚なのだそう。


・中西さんによるフェルマーの最終定理の説明が、そこらへんの塾講師なんかよりよっぽど分かりやすいんじゃないかってくらい上手かった。


ヴィトゲンシュタインという哲学者の考え方に共感し、それを分かっていない世の中を煩わしく思っている中西さん。
 その考え方とは、世で問題とされている多くのことは言葉の解釈の齟齬であって、事象そのものの問題ではないみたいな内容だったかな。
 前提条件に矛盾があることに気付くこと、あるいは考える順番の間違いに気付くことの重要性。


・「考える順番の間違いに気付くこと」の例えとして中西さんが言っていた「本当に答えさせたいのは(3)の問題なんだけどいきなりそれでは難しいだろうという大人の配慮で(1)(2)と小問を作って筋道を示してもらった問題しか解いてないので、全ての問題が(1)で始まると思い込んでしまう人ばかりだ」というのがとても分かりやすかった。


・お笑いを数式に置き換える寺岡さん。
 常識という軸において、ボケることはおかしなことを言うから-20、ツッコミはそれを修正するから+20、そこにお客さんの笑い20が生まれるとする。
 その-20を-60に、+20を+60にすることでより面白くしていこうとする芸人が殆どである。
 でも寺岡さんや中西さんのネタの作り方はそうではなくて、舞台や客席にも数字があると考えて、ボケを0にして舞台を-20にする、あるいはツッコミを0にして客席を+20にするような発想。


・地元さんとコンビを組む時に寺岡さんが誓約書を書かされた話。
 誓約書の内容は、ネタ中に絶対にツッコミを入れないこと。
 ツッコミをいれてしまうと、その前がボケであることがばれてしまうから。
 ボケたことに気付かれたくない地元さん。


・言葉とはぼんやりしたものの一部を切り取ることである。
 それを寺岡さんは「悲しい」「辛い」と言うことで悲しいと辛いの間の感情を削ぎ落としてしまうと表現し、中西さんはイヌは本当は暫定イヌだしネコは本当は暫定ネコだと表現していた。
 そうすると「精神≧言葉」であると考えるのが自然なように思えるけれど、地元さんの考えは「精神=言葉≦外部」だと寺岡さんが説明していた。
 中西さんはそれをメタと解釈していた。
 (私はこの話は全然意味分からなかった)


・ネタにメッセージを込めるのはきしょいということで二人は共感していた。
 中西さんはメッセージのこめられてない音楽はただの音の羅列だと言い、寺岡さんは音の羅列にこそメッセージがあると言っていた。
 寺岡さんの好きなハイフェッツというバイオリニストは「作曲者が曲に感情を表現しているのだから演奏者が感情をこめる必要はなく、ただ譜面に忠実に演奏するだけで良い」という主義だそうで、その最たるものが初音ミクだと言っていた。


・中西さんはネタ前に「コント○○」と言うのが嫌な時期があった。
 それは、ネタが始まった時にさっきまで「コント○○」っていってた奴が急に演技してるという矛盾になるから。
 ただ、ある時から考え方がかわったと。
 変わった理由の一つは、憑依芸のようなリアリティの求められるものでは確かにタイトルコールでリアリティがなくなってしまうが、自分がやろうとしているネタはそうでないこと(発想で勝負したいし、リアルな演技をやろうとしても下手だからできない)。
 もう一つは、説明のためのセリフが大嫌いなので、タイトルコールによってそれを言わなくて良くなるから。
 タイトルコールするかどうか、するならどういう言葉でどういう言い方をするか、そこからもうネタは始まっている。
 賞レースで結果を出している芸人でもそこが分かってない人はいるし、世間もそんなことまで気にしていない。


・中西さんが前回の泣き虫ライブの感想を求めた時に、当たり障りない感想を言う寺岡さん。
 褒められればそれは当然嬉しいけど、基本的には肯定的な感想も否定的な感想も何とも思わないと中西さんは言っていた。
 それは、なぜそう思うかというところに興味があるから。
 むしろ寺岡さんみたいに仲の良い人から気を使って良かったですと言われると心を閉ざされたように感じると。


・寺岡さんから万物椅子理論はおかしいという意見が。(参考 http://ameblo.jp/ajgdmtj235/entry-11453498237.html
 理論の中身ではなく、理論の名前に「椅子」という言葉が含まれているのがおかしいのだそう。
 万物が椅子なのであれば、それはもはや椅子ではないのではないか?と。


・R-1で身近な二人が優勝、準優勝したこと。
 ヒューマンは出るライブ出るライブで同じネタばかりをかけ続けて勝負ネタを磨き上げたが、中西さんは常連さんに同じネタばかり見せるのが申し訳ないという気持ちでそこまで割り切れなかったそう。
 決勝にいくことでそれ以上に喜んでもらえて恩返し出来るのに。
 R-1予選で負けて、去年は泣いて今年は怒ったから来年は無感情だと良いと言っていた。


・もしR-1で優勝してお客さんが喜んでくれても、テレビの演出が入っているし画面越しに見ているのだから自分の意図とは違う喜びだと言う寺岡さん。
 それに対して中西さんは、そこまで崇高でなくとも良いのではないか、もう少しファジーで良いと思うと言っていた。
 自分のネタに対する自分の理解度は必ずしも100ではない。
 ライブを撮影したものを見て自分はこんな表情をしていたのか等と後から気付くことは沢山ある。
 なんだったら、お客さんの方が理解度が高い可能性すらある。


・「D」を伝えようとする時、寺岡さんは「ABC EFG」と表現するタイプだが、実際は「A C E G」 くらいになってしまっているのでなかなか伝わらないという中西さんの説明が面白かった。
 山が動くファンは心の中で深く頷いたことでしょう。
 このライブは中西さんが抜けたBやFを埋めてくれるどころか「寺岡くんはD以外のアルファベットを書くことによってDを表現しようとしてますよ!お客さん、伝わってますか?」くらいの親切さで翻訳してくれていたので本当に分かり易かった。


相対性理論の話をどうしてもしたいという寺岡さん。
 相対性理論に対する寺岡さんの考えをまだよく理解しきれていないので翻訳できる自信がないし長くなりそうだからそれは次回にしようという中西さん。
 それでもどうしても話したいと言って食い下がる寺岡さんはただの駄々っ子でした。


・中西さんが客席に背を向けてお茶を飲んでるところをほけ〜っと見つめる寺岡さんがおかしくて客席からクスクス笑いが起きた時に、お二人だけが何故笑いが起きてるのか分かってなくて、演者より客の理解度が上回っている状態を早速体験できたのがおかしかった。


・寺岡さんのバイト話。
 うどん屋で働いていた時に、近所に住む○○さんから黒い傘をお店に忘れたので届けてほしいと言われ、傘立てを見たら○○と名前の書かれた青い傘と、昔から置きっ放しのボロボロの黒い傘があって、当然色を勘違いしてたのだろうと分かっていたがあえて黒い方を届けて店長に怒られた。
 本屋で働いていた時に好きな本を並べて良かったので、野球好きな人は去年のと読み比べたいかもしれないと思い今年の分の横に1年前の選手名鑑を並べたら、間違えて買う人がいるからと店長に怒られた。
 寺岡さんはお釣りを渡したのに、客がお釣りを貰ってないと言うのでさらに500円払ったら店長に怒られた。
 これら三つの話を聞いて中西さんは、そういう発想はするけど実際にやると面倒臭くなるのがわかっているから自分ならやらないと言っていた。
 分かっててやらないのがないのが中西さんで、分かってるのにあえてやるのが寺岡さん。それが最初にアンケートをとった変かどうかの印象の違いかなと思った。






【感想】
面白かったしとっても心地良い空間でした。好きなひととセックスするのくらい気持ちよくて幸せでした。このライブを見られて本当に良かった!
この組み合わせは寺岡さんの魅力が引き出されること請け合いだと思って見にいきましたが(中西さんはもともとめっちゃ魅力的)、予想以上に寺岡さんがキュートで良かったです。
あんなにいきいきとした寺岡さんを見たのは久しぶりでした。
この気持ちは、地元さんがいた頃に山が動くに対して感じていたどきどきとかときめきにとても近い感じがします。


お二人は感覚や思考回路が似ているものの、それに対するアプローチや表現が真逆なのがこのライブを面白くしていたと思います。
天才二人の頭の中と天才二人の見ている世界を少しだけおすそ分けしてもらったような、お二人の魅力がたっぷり詰まった素敵なライブだったと思います。






【中西さんのブログ】
http://ameblo.jp/ajgdmtj235/entry-11473665733.html
http://ameblo.jp/ajgdmtj235/entry-11480765073.html

2013年8月12日 FAVORITE!〜ボクらの本当にやりたかったネタ〜

2013年8月12日 19:30〜
FAVORITE!〜ボクらの本当にやりたかったネタ〜 @ルミネtheよしもと


MCキングコング


キングコング:漫才:相方いじり
しずる:コント:人質を返してほしければ
東京ダイナマイト:コント:床屋
2700:コント:もずく
RG:メジャーを伸ばして出た長さのあるある、地上の星
インパルス:イタリアンレストラン


【感想】
1月の単独ライブ以降、半年以上も見られていなかった2700を久しぶりに見てきました。
2700を見たい気持ちはずっとあったんですが、トークライブ「ペラペラフムフム」が終わり、無限大ホールを卒業し、地方営業とルミネ・浅草の通常公演しか舞台がなくなったため足が遠のいてしまっていました。
通常公演なんてどうせ知ってるネタしかやらないだろうし、チケット代高いし、スピードヨーグルトは私なんかが行くまでもなくチケット完売だし。


そんな状況の中、やっと面白そうなライブに出てくれるということで見に行ってきました。
このライブのコンセプトは、一般ウケしなかったりネタ尺が長すぎる等の理由で、普段のライブでは出来ないけど自分たちは気に入っているネタをやるというもの。
この日のルミネは、日常的にお笑いライブを見るお客さんとお笑いライブを見ることが非日常なお客さんが半々くらいかなという印象。
全然ウケないネタなんかもあったりする中、2700のもずくのネタは結構しっかりウケていて、それがよっぽど嬉しかったみたいでネタの後のトークの時に、やそが本気で嬉し泣きしてました。「肘のネタじゃなくても受け入れてもらえるんだ」「こういうネタもやっていいんだ」って。
色んなネタをやりたいのに、営業先や通常公演に来てくれるようなお客さんの前で肘以外のネタをやってしまったらがっかりさせてしまうんじゃないかという思いの中で凄く葛藤があったそう。
私は、好きな芸人の内面の部分(心境や意図)にとても興味があるので、このタイミングでの八十島の素直な気持ちを聞けてとっても嬉しかったです。
まさかそこまで肘が呪縛になっていたとは。この日ルミネに行って本当に良かった。


さて、私はとても私欲的なファンで、ライブで見る2700が好きなので、テレビ人気が落ち着いてライブに戻ってきてくれた方が嬉しいです。(本人たちからしたらたまったもんじゃないでしょうが)
トークが下手で空気も読めない、タレントとしてはどう考えてもポンコツな二人が世に出ていけたのは間違いなくネタのおかげなんだから、特番に呼ばれなくなり、レギュラー番組であるパワープリンが終わった今、原点であるネタに戻ってきてほしいと私は思っています。
彼らはどういう選択をするんでしょうかね。このまま腐ってしまうのか、それとも再起するのか。
見届けることしかできませんが、叶うことなら自らの過去の栄光を乗り越える姿を見せてほしいですね。
(個人的には肘ではなくキリンスマッシュを超えるネタを見られる日がきたら感激だな〜)



余談ですが、はちみつ二郎さんが「いつまで経っても地上波でレギュラー番組持てないから
自分でスポンサー二社連れてきてテレビ埼玉の枠買って「東京ダイナマイトの素晴らしいTV」という番組を始めた」と言っていました。男前!

2013年8月9日 金属バットスーパープレーン単独ライブ

2013年8月9日 18:30〜

金属バットスーパープレーン単独ライブ @大阪城ホール コンベンションホール


OPVTR 不治ゲルゲ
漫才:パンクしないタイヤ
漫才:料理
大喜利 チェクサロイド (声の出演 ちぇく田)
漫才:選挙の投票率を100%に
金属バットのタバコ休憩の間、シアター稲葉(ストレンジサニィシアター)と川田(積み木)のトーク
ボツ作品いろいろ
漫才:全部一撃でボケて殺したれみたいなスタンスを笑いの正義と思ってやってきたが、どうやら世の中ではでは気さくに喋りやすい人=面白い人のようだ



【感想】
2012年に見た100本以上のお笑いライブの中でベストを決めるとしたら、間違いなく金属バットの単独ライブでした。
あの、どこからどう見てもやる気のなかった金属がライブを主催するなんて、しかも単独ライブだなんていったいどんな風の吹き回しだ!?と、開催が決まった時点で相当に期待値が跳ね上がっていた上で、そんな期待なんてゆうに飛び越えるほどの素晴らしいネタの数数を見せてくれたのが2012年。


そんな去年の感動があったので今年も当然見に行くことにしたんですが、今回は残念なことにどのネタもいまいちでした…。
ネタがいまいちだと途端に他のことも悪く見えてしまうもんで、普段はゆるさこそが彼らの魅力と思っているのに、大喜利コーナーがあまりにもゆるすぎて早く終わればいいのにと少し思ってしまった。
もし来年また単独があったら懲りずに2012の伝説の再来を期待して私は見に行ってしまうのかなー。